サーモスタットを使用しなくても異常過熱したり焼き切れたりすることもないため、
信頼性の高い安全な電気加熱保温が行えます。また、連続的な並列回路構造をしているため
現場で必要な長さに切って使用することもできます。

★オート・トレースは自己制御性で並列回路のヒータです。

 構 造 
  • オートトレースの構造を第1図に示します。発熱抵抗体は帯状をしているところから、帯状発熱体とも呼ばれています。電気絶縁被覆には、架橋ポリオレフィン、フッ素系樹脂が使われ、柔軟性にとんでいるので、施工が非常に用意です。電流は発熱抵抗体内の平行導線間で連続的な発熱回路を形成して流れます。
 第1図  構 造
BTV型
QTVR型
  1. 導線
  2. 自己制御性発熱抵抗体
  3. ポリオレフィン
  4. フッ素系樹脂絶縁被覆
  5. フッ素系樹脂絶縁スペーサー
  6. 錫メッキ銅編組
  7. ポリオレフィン系樹脂外層被覆
  8. フッ素系樹脂外層被覆
XTV型

  • 第2図の等価回路に示すように、オート・トレースは、2本の平行導線間に無数の抵抗線が結合されているのと同じことから、並列回路ヒーターと呼んでいます。したがって、2本の導線間の単位長当たりの発熱量は、オート・トレースの長さが変わっても変わらないので、自由な長さに切って使用することが出来ます。これは通常電熱線のような直列型のヒーターでは困難なため、設計、施工上において非常に大きな利点となります。
    なお、オート・トレースには、
     イ.2本の平行導線の最大許容電流値
     ロ.末端における電圧降下による出力の低下
    の二つの理由から、一回路あたりの最大使用長さには、限度があることに注意してください。
 第2図 等価回路