自己制御性 
  • オート・トレースの発熱抵抗体はレイケム社にて開発されたグラファイト(導電性カーボン)と放射線架橋ポリマーの混合物で、オート・トレースの自己制御性は、この発熱抵抗体の特性によるものであります。
    第3図に示すように、発熱抵抗体の温度が低いときにはグラファイトの結合状態は密で、電流通路は多く(抵抗値は小さい)、したがって発熱量は大です。また発熱抵抗体の温度が高くなると、放射線架橋ポリマーが膨張してグラファイトの結合を切り、電流通路を少なくします。その結果、抵抗値は増大し、発熱量は減少します。第4図は、この模様を示すグラフであります。
 第3図  発熱抵抗体
<低温度時>
<高温度時>

 第4図  電気特性

  • このように、オート・トレースは温度の変化につれて、発熱量を発熱抵抗た自体が増減するように作動するので、連続使用しても決してオート・トレースの耐熱温度以上で作動することはありません。それゆえ、過熱防止のためのサーモスタットの設置は必要ありません。(但し、正確な温度制御を必要とする場合は別です。)また交差して使用しても、自己制御が働いてホット・スポット(過熱部)にはなりませんので、ヒーターが焼き切れる危険もありません。
  • この特性を利用して口径の異なる配管に同じように設置しても均一な温度にて保温できます。また、バルブ等にも簡単に取り付けることができます。