初動時電流 
  • オート・トレースは初動時、モーターの起動時と同じように、初動電流が流れます。したがって、ヒーターの投入温度時の出力より求められた電流特性に見合う定格電流の漏電ブレーカーを使用してください。
 耐 久 性 
  • 電気ヒーターを使ったヒート・トレースでは、電気ヒーターは保温材の下に取り付けられるので、万一電気ヒーターが破損した場合、これを取り換えるためには、保温材まで取り換えなければならず、容易に取り換え作業ができないばかりでなく、費用も電気ヒーターの代金だけでは済みません。それゆえ、電気ヒーターの寿命は非常に重要視されます。
    多くの場合電気ヒーターの事故は、絶縁破壊ならびに、金属発熱線部分の破断によるものが最も多く、これが100%であると言っても過言ではありません。オート・トレースの場合、破断事故は並列回路型であるため皆無であり、絶縁につても充分な考慮がしてありますので、その寿命は通常の電熱線型のものに比べて遥かに長寿命です。
 電源設備 
  • 100V又は200Vの単相電源を使用します。電気ヒーターへの給電回路には電気設備技術基準にて漏電ブレーカーの設置が義務づけられていますので、必ず設置してください。
 温度コントロール 
  • ヒート・トレースにおいては、常に下限の温度が重要で、上限温度は通常それほど考慮されません。特に凍結防止の目的のときは、多少の温度上昇は無視される場合が多く、そのための温度コントロールは通常必要とされません。一般的に温度コントロールは
     .正確な温度コントロールを必要とするとき
     .ランニング・コストのセーブ
     .電気ヒーターのオーバー・ヒート(異常過熱)を防止するため
    の三つの必要性から行われます。方法としては、サーモスタットによる電源ON/OFF法が一般的で、特にのオーバー・ヒートの防止は不可欠の条件で、通常の電熱線ヒーターを使用する場合にはサーモスタットの併用なしで連続運転することは全く危険であることは周知の通りです。
    その点オート・トレースは、その自己制御性から自らオーバー・ヒートを防止してくれるので、の目的のみのためのサーモスタットは不要ですがイロのの目的も合わせてサーモスタットを併用すれば、二重のオーバー・ヒート防止となり、万一サーモスタットの故障が起こっても火災等の心配は全くありません。
    第5図は、サーモスタットの併用を簡単に図示したものです。
 第5図